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自由記述欄を生かすための3つのコツ

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自由記述欄を生かすための3つのコツ

なかなか書く時間がとれないと思われがちな自由記述欄ですが、要点を押さえることで、定められたサービス時間内でも、効率的かつ的確に記録を残すことができます。

[1]ニーズを理解してからケアを実践する

サービス提供後、記録にかけられる時間はわずかなもの。いざ用紙を前にしてから何を書こうかと考えても、漠然とした内容になりがちです。大切なのは、その利用者のケアプランや訪問介護計画書をしっかり理解し、ニーズを把握してからサービスに入ること。そうすれば、「今日の声かけに対する反応はどうだったか?」「先週と比べて体の痛みはどう変化したか?」といった的確なケアの視点を持つことができ、自然と意義のある記録につながっていきます。できればサービス中にも、どんなことを記録に残すか頭の片隅で考えておき、忘れてしまいそうなことはサッとメモをとれるとよいですね。

[2]具体的かつ客観的な文章にする

個人的な日記とは異なり、サービス提供記録ではあくまでも客観的な事実を記録することが求められます。「〇mLの白湯(さゆ)を飲んだ」「14時にA剤を服用」「△△ストアで買い物」といったように、数値や時間、固有名詞などを具体的に書くようにしましょう。また、利用者の様子を描写するときには、かぎかっこを使って発言を切り取るようにするのがお勧め。例えば、「おいしそうにおじやを食べきった」とだけ書くよりも、「にこやかな表情で『この味つけが好きなのよね』とおじやを全量摂取した」とするほうが、利用者の様子をダイレクトに伝えることができるはずです。

[3]出来事への「対応」と「結果」を書く

ある出来事を記録したら、それについての対応と結果を忘れずに書くようにしましょう。「腹痛の訴えあり」とだけ書き残されていたら、利用者に対して何もせずに放置したと誤解されてしまうかもしれません。「軽い腹痛の訴えがあったので、湯たんぽで温めながら横になってもらう。30分後に排便があり、痛みはなくなったとのこと」といったように、ホームヘルパーがプロとして行った対応と、その結果どうなったかまで明らかにしておくことが重要です。

 

柴田範子(しばた・のりこ)
NPO法人「楽」理事長として、小規模多機能型居宅介護「ひつじ雲」、サテライト「くじら雲」を運営する。神奈川県ボランタリー活動推進基金審査会委員。元・東洋大学ライフデザイン学部准教授。『イラストでわかる介護職のためのきちんとした言葉のかけ方・話の聞き方』など、著書も多数。

イラスト/仲野ひかる

 

この記事は『へるぱる 2018年9・10月号』に掲載されています

介護職に求められる医療の知識は、どういうことなのか? 高齢者の体と心の変化を知って、観察することが求められていますが、具体的にどこを見ればいいのか? をわかりやすく学べる内容です。

他にも、緊急時の備えについて、介護職による“虐待”の芽は、どうやって早期に摘むかを研修特集としてお届けします。“書類”実例集では「サービス提供記録」を取り上げ、事例をもとに図解、理解を深めます。

へるぱる2018年9・10月号

特集内容

巻頭特集

ケアマネジャー&医療職との連携を目指して!

ホームヘルパーに求められる医療の知識とは?

研修特集1

現場で慌てないために

緊急時に備えていますか?

研修特集2

“虐待”の芽を摘むために

日々のケアからできること

  • もう悩まない!
    サービス中のあいまいゾーン[第8回]
  • 基本の介助術[第4回]
    排泄の介助をマスターしよう!
  • 「老計第10号」ポイントはここ![第4回]
  • ホームヘルパーが知っておきたい!
    医療の知識[第7回]―睡眠―
  • 2018年 介護保険制度改正で訪問介護はどうなる?[第4回]
  • サービス提供責任者がイキイキ
    働きやすい事業所づくりの秘訣[第4回]
  • こうしたらうまくいった!
    ホームヘルパー奮闘体験
  • みんなの声を聞かせて!
    へるぱるカフェ ―愛すべき ヘルパーな日々―
  • 実例集[第4回]サービス提供記録
    自由記述欄の書き方
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