Q 湿疹があり、以前に処方された軟膏があるとのこと。似た症状なので塗ってもよいですか?
皮膚トラブルが多い利用者です。不定期で皮膚科にかかっていて、今回もまた同じような湿疹が確認されました。以前の軟膏が残っているので塗ってあげたいのですが……。
A たとえ以前に処方された軟膏でも塗ってはいけません。
これは専門医の判断が必要なケースです。訪問介護職が勝手に判断してはいけません。また薬には使用期限があり、残っているから使うという考え自体が誤りといえます。
【こう考えよう】
まず、今回の湿疹のようなものが、以前の湿疹と原因が同じであるか、そもそもそれが湿疹なのか等々、専門医の判断が必要です。特に皮膚トラブルが多い利用者の場合、正確な診断が重要となります。まずは受診を勧めましょう。
さらに薬には使用期限が定められています。処方薬の場合は塗り薬でも飲み薬でも、通常、〇〇日分、〇週間分などと明記されており、それを過ぎた薬品は基本的に使用してはいけません。もし、利用者が自分で判断して塗っている場合、上記のことを説明しましょう。そして頓服使用が希望ならば、そのことを専門医に相談してみましょう。
監修・執筆/能本守康
介護福祉士、主任介護支援専門員、相談支援専門員、日本ケアマネジメント学会認定ケアマネジャー、日本介護支援専門員協会常任理事、(株)ケアファクトリー代表取締役などを務める。著書に『Q&A 訪問介護サービスのグレーゾーン 改訂版』(ぎょうせい)などがある。イラスト/藤原ヒロコ