こんな人
- ひざの痛みにより、動きたくない気持ちが強い。
- これまでどおり掃除ができず、息子夫婦の不安感が大きい。
- トイレに間に合わず、下着を汚してしまうことがある。
今日の出来事
14:00 訪問時、あいさつすると「おう」と一言。
14:10 居室の掃除を開始。
14:20 掃除機をかけている間、田中さんにテーブル拭きをしてもらう。
14:30 トイレ掃除。目立った汚れはない。
14:40 洗濯物をたたむ。田中さんは野球のニュースを見て笑顔。
14:50 排尿の訴えがありトイレへ誘導。少し下着が汚れたので手洗いする。
15:00 記録を書き、サービス終了。
ホームヘルパーの記録[1]
最初のうちはむすっとしていて怖かったけれど、掃除中にテーブルを拭いてくれた。後半は野球のニュースを見て笑っていたので、よかったと思う。
→書き手の感想が入り混じった記録になってしまいました
ホームヘルパーの記録[2]
自立支援を意識し、田中さんに掃除を依頼。テーブル拭きを自ら行ったが、表情は固いまま。テレビに熱中するあまり、トイレに間に合わず下着を汚した。
→田中さんの問題点にばかり焦点が当たってしまっています
模範解答例
「テーブルの掃除をお願いできますか」と声をかけると、硬い表情ではあったが「そうだな」と言ってテーブルを拭いた。14:40から、テレビで野球のニュースを見て笑顔に。14:50に排尿の訴えがあり、移動に時間を要したため少し下着を濡らしたが、しっかりトイレで排泄(はいせつ)できた。
柴田範子(しばた・のりこ)
NPO法人「楽」理事長として、小規模多機能型居宅介護「ひつじ雲」、サテライト「くじら雲」を運営する。神奈川県ボランタリー活動推進基金審査会委員。元・東洋大学ライフデザイン学部准教授。『イラストでわかる介護職のためのきちんとした言葉のかけ方・話の聞き方』など、著書も多数。イラスト/仲野ひかる