利用者の生活に最も近い介護サービスを提供する訪問介護者だからこそ、知っておきたい医療の知識をお届けします。今回は、睡眠を取り上げます。
Q 不眠があった場合は、睡眠薬をもらえばいい?
A 上の表のように不眠の原因はさまざまです。それぞれの原因に合った対応が必要です。
介護場面での気づきの重要性
利用者の言葉や様子から不眠の可能性を感じたら、「不眠以外に何か症状がないのか」や「どんなふうに眠れないのか」を聞いてみましょう。それが不眠改善の糸口となります。
昼間の居眠り
中途覚醒や熟睡障害などの不眠症のほか、過眠症の可能性も考えられます。利用者の生活リズムを整えながら、場合によっては、医療機関に相談します。
手や足にひっかき傷がある
皮膚の乾燥によるかゆみが原因で、不眠が生じている可能性があります。皮膚科に相談して、スキンケアを行ってみましょう。
咳や鼻づまり
咳や鼻づまりも不眠の原因となります。呼吸器科や耳鼻咽喉科に相談し、対応してもらいましょう。また、空気清浄機などの利用も改善策の一つです。
堀 美智子
薬剤師。帝京大学薬学部医薬情報室を経て、1998年医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー設立に参画。現在は医薬情報部門責任者。東京・八王子「公園前薬局」店頭にも立ち、生活者の視点から医薬情報を発信している。著書に『介護職必携!お年寄りの薬おたすけブック』(メディカ出版)、『処方せん・店頭会話からの薬剤師の臨床判断』(じほう)などがある。イラスト/みやれいこ