利用者の自宅で行う訪問介護は、利用者にとって居心地のよい環境というメリットがある一方、施設などに比べ、事故につながるリスクが多数潜んでいる場合もあります。まずは、その現状を見ていきましょう。
訪問介護ならではの事故につながりやすい要因とは?
利用者の生活に寄り添う訪問介護には、「1対1で行う」「自宅というプライベートな空間でサービスを提供する」という大きな特徴があります。しかし一方で、
- ケアの最中に他者の目が入りにくい
- ホームヘルパー1人で対応する必要がある
- 介護施設などと比べ、環境上のリスクが多くなりがち
と言い換えることができ、これが事故発生の原因になってしまうこともあります。
実際、サービス提供などに関する苦情件数を集計した、上の調査※1によると、居宅介護支援に次いで、訪問介護は2番目に苦情の多いサービスとなっています。苦情件数がそのまま事故の実態を反映するわけではないものの、訪問介護の特性には事故につながりやすい側面があり、より一層の注意が必要だといえるでしょう。
これらを実現するため、事故のリスクを察知し、最小化する方法を『へるぱる2018 11・12月』の研修特集で学んでいきましょう!
監修/岩永美穂
東京海上日動ベターライフサービス株式会社 ソリューション事業部 専門部長。社会福祉士、ケアマネジャー。訪問介護、居宅介護支援を運営している同社において、ホームヘルパー、サービス提供責任者等の研修体系の構築・社内講師の育成を担当後、現在は自社で構築したノウハウをもとに、介護サービス事業者向けのセミナー講師として全国で活躍中。取材・文/ナレッジリング(中澤仁美)