クレームは避けたい、減らしたいのに、なぜ起きてしまうのか
10人の利用者がいれば、10通りのやり方が求められる。そう言えるほど、訪問介護は、多様なニーズに応える難しさがあります。相性や好みもあり、クレームが起こりやすいサービスと言えるかもしれません。しかし、適切に対応していれば避けられるのに、それができていないために起きるクレームが多いのもまた事実です。
利用者や家族からのクレームの原因の一つは、契約時の説明が不足しがちであることです。介護保険のサービスではできない内容や事故が起きるリスクなど、利用者側が歓迎しない話はなかなか伝えにくいものです。しかし、これらを契約時に十分説明して理解してもらうことで、大きなクレームが起こりにくくなります。
また、ケアマネジャーや他のサービス事業者からのクレームは、十分なコミュニケーションが図れていないときに起こりやすいものです。些細なことでも意識して、こまめに報告、相談しましょう。
一方で、研修や日頃の指導を通して、クレームにつながるような対応をしないホームヘルパーを育成することも大切です。
『へるぱる2018 11・12月』では、具体的なコツをお届けしています。
監修/日髙 淳
神奈川県横浜市で訪問介護と居宅介護支援を提供する「ステップ介護」を運営。管理者を務めつつケアマネジャーとして多くの利用者を担当。訪問介護の現場での声を、現状把握、介護連携、講師等に活用している。横浜市訪問介護連絡協議会相談役。文/宮下公美子 イラスト/藤井 恵