介護サービスを受ける利用者の状況は一定の状態にとどまるわけではなく、刻々と移り変わっていきます。ニーズの変化に合わせてサービスを提供し続けるためには、定期的なモニタリングが欠かせません。
訪問介護におけるモニタリングとは、ケアプランや訪問介護計画書に沿って提供されているサービスが利用者のニーズに即したものになっているかどうか、定期的にチェックすることを指します。アセスメントと異なり、「以前と比べてどう変化したか」という視点を求められるのが特徴です。
訪問をスタートしてから1か月後には必ず初回のモニタリングを行い、その後も1~3か月ごとを目安にしながら定期的に実施します。具体的には、サービス提供責任者が利用者の自宅を訪れ、本人や家族から1時間以内くらいで話を聞き取っていきます。
モニタリングの際は「モニタリングシート」「モニタリング報告書」などの用紙を準備し、そこへ収集した情報を書き記していきます。規定の様式はなく事業所ごとに自由な用紙を使うことができますが、下記のような内容を含めるようにしましょう。「毎月の内容はシンプルにして、半年に1回はじっくりと評価を行う」というように、メリハリをつけてモニタリングを実施するのもよいでしょう。
柴田範子(しばた・のりこ)
NPO法人「楽」理事長として、小規模多機能型居宅介護「ひつじ雲」、サテライト「くじら雲」を運営する。神奈川県ボランタリー活動推進基金審査会委員。元・東洋大学ライフデザイン学部准教授。『イラストでわかる介護職のためのきちんとした言葉のかけ方・話の聞き方』など、著書も多数。