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【事例】麻痺側の足を押して手助けしてもいいですか?

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【事例】麻痺側の足を押して手助けしてもいいですか?

Q 歩行時に麻痺側の足がうまく前に出せない利用者です。後ろから押して手助けしてもいいですか?

片麻痺がある利用者です。リハビリにも通っていますが、「自宅でもできることは自分でしたい」と言います。しかし、歩行などは十分にできません。「後ろから麻痺している足を押してほしい」と頼まれるのですが、対応してもよいですか?

A 基本的には不適切です。いろいろなトラブルが想定されますので避けたいところです。

訪問介護職が歩行の際に介助をする目的は、体幹の保持や転倒防止のためです。麻痺した足を前に押すだけの支援は不適切でしょう。

【こう考えよう】

状態にもよりますが、例えば、全麻痺でまったく足が前に出ない方の場合、リハビリ目的で家の中を歩く支援をすること自体、不適切といえます。理由としては、転倒の危険が伴うこと、拘縮などがある場合、誤用症候群(=過度の誤った運動・訓練により起こる機能障害)を引き起こす危険などがあるからです。そのことから、今回のケースも対応すべきではないと判断されます。

なお、ベッドから車いすへの移乗などの際、麻痺側を訪問介護職が足で押すなどのサポートをすることに制限はありませんが、その際も事故予防の観点から手順を取り決めておくといった対応は不可欠です。

 

監修・執筆/能本守康
介護福祉士、主任介護支援専門員、相談支援専門員、日本ケアマネジメント学会認定ケアマネジャー、日本介護支援専門員協会常任理事、(株)ケアファクトリー代表取締役などを務める。著書に『Q&A 訪問介護サービスのグレーゾーン改訂版』(ぎょうせい)などがある。

イラスト/藤原ヒロコ

 

この記事は『へるぱる 2018年11・12月号』に掲載されています

巻頭特集は“困ったときの対応法”。「お風呂に入ってもらえない」「着がえてもらえない」…。そんな、誰もが経験ある困った場面を、実際の現場のホームへルパーへの取材に基づいて打開策を探ります。

研修特集は「事故再発防止」と「口腔ケア」です。「老計第10号」の連載では、この4月の最も大きな改正点、「1-6 自立支援・重度化防止のための見守り的援助」について、詳しく検証します。

へるぱる2018年11・12月号

特集内容

巻頭特集

実例に基づいた“声かけ”で、サービス中の悩みを解決!

困ったときの対応法

研修特集1

事故再発防止のために

~3つの視点で考える~

研修特集2

改めて考えよう!

訪問介護に求められる口腔ケア

  • もう悩まない!
    サービス中のあいまいゾーン[第9回]
  • 基本の介助術[第5回]
    入浴の介助をマスターしよう!
  • 「老計第10号」ポイントはここ![第5回]
  • ホームヘルパーが知っておきたい!
    医療の知識[第8回]―皮膚トラブルとケア―
  • 2018年 介護保険制度改正で訪問介護はどうなる?[第5回]
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    働きやすい事業所づくりの秘訣[第5回]
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