疥癬や白癬は、感染する疾患です。それぞれ上図のような感染経路があります。ホームヘルパーは特徴を知り、感染が広がらないように注意しなければいけません。
- 疥癬ではステロイド剤の使用は避ける必要があります。市販の痒み止めにはステロイドを含むものも多いため、その使用には注意が必要です。例えば、痒み止めであるオイラックス®は、病院で処方されるものにはステロイドは含まれていませんが、市販薬には含まれているものもあります。
- 特に角化型疥癬では、疥癬のある利用者宅で付着した角質を、別の利用者宅に運んでしまうといったケースがあります。靴下の履き替えを行うなど、ホームヘルパー自身が感染源とならないよう注意しましょう。
足白癬(水虫)の感染予防
- バスマットやスリッパの共用は、感染の拡大につながるためやめましょう。
- 白癬菌の感染が成立するには、菌が皮膚に侵入してから最低24時間かかるといわれています。そのため、白癬菌が皮膚表面に付着したとしても、24時間以内に白癬菌を洗い流すことができれば感染を予防することができます。
堀 美智子
薬剤師。帝京大学薬学部医薬情報室を経て、1998年医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー設立に参画。現在は医薬情報部門責任者。東京・八王子「公園前薬局」店頭にも立ち、生活者の視点から医薬情報を発信している。著書に『介護職必携!お年寄りの薬おたすけブック』(メディカ出版)、『処方せん・店頭会話からの薬剤師の臨床判断』(じほう)などがある。イラスト/みやれいこ