2018年4月の介護保険制度改正から半年以上が経過し、そろそろ影響を実感することも増えてきたと思います。目の前の業務に追われると、制度改正について学ぶことを疎かにしてしまいがちですが、実際に問題が起きてから「知らなかった」では済みません。前号までの連載の総まとめとして、ポイントを絞って紹介します。この機会に理解を深めましょう。
改正内容を読み解き目指すべき介護職に!
2000年にスタートした介護保険制度は、社会の変化や現場のニーズに合わせて、これまでに幾度もの改正が重ねられてきました。次に直面する大きな問題は、団塊の世代が2025年に後期高齢者(75歳以上)となることです。今のままでは、支え手となる人材とお金が決定的に足りなくなるといわれています。
そのため、介護を必要とする人がよりよいサービスを受けられるよう、地域で高齢者を支援できる環境を整える必要があります。それが「地域包括ケアシステム」で、2018年の改正でも、地域包括ケアシステムを推進するために、さまざまな指針が示されています。
皆さんのなかには、「目の前の利用者のことで手一杯。介護保険制度のことまで考えられない」という人もいるかもしれません。しかし、介護保険制度の改正内容を読み解くことで、今後どのような未来が待ち受けているのか、また自分たちがどのような介護職を目指すべきかが見えてきます。すなわちそれは、目の前の利用者のためにつながる、とても重要なことといえます。
本誌では一見ややこしい改正内容の要点を3つのステップでわかりやすく解説しています。
監修/平井丈雄
東京海上日動ベターライフサービス株式会社 支援・教育部部長、在宅介護事業部部長。2004年同社入社、みずたま介護ステーションの立ち上げと運営担当を経て、2016 年より現職。介護事業企画・人材育成・業務システム・事業所支援を担当。