誤薬とは、「利用者が誤った種類、量、時間または方法で薬を飲むこと」をいいます。誤薬にはどんなケースがあるのか、みていきましょう。
飲む薬の間違い
実際に起きたケース
- 何種類も薬が処方されており、介護職間で共有して管理ができず、違う薬を飲ませてしまった
- 限られた介助時間の中で、慌てて違う薬を飲ませてしまった
- 夫婦間で薬を取り違えてしまった
服用時間の間違い
実際に起きたケース
- 「食前」「食間」「食後」「食直前」など、指示された服用時間を正しく理解できておらず、間違った時間に飲ませてしまった
(薬によっては、服用時間を間違えることで、命に関わる重体に陥ることも)
誤薬に気づいたときにはどうしたらいいのか?
誤薬に気づいたとき、まずはすぐに体調に変化を及ぼすような事態であるかどうかを薬剤師に確認します。
その心配はないような事態であっても、事実を事業所と家族にも報告し、再発防止策をとることが大切です。
本誌では、正しく薬を使⽤してもらうために⼼がけたい3つのポイントなど現場で役⽴つ服薬に関する情報を紹介しています。
堀 美智⼦
薬剤師。帝京⼤学薬学部医薬情報室を経て、1998年医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー設⽴に参画。現在は医薬情報部⾨責任者。東京・⼋王⼦「公園前薬局」店頭にも⽴ち、⽣活者の視点から医薬情報を発信している。著書に『介護職必携︕ お年寄りの薬おたすけブック』(メディカ出版)、『処⽅せん・店頭会話からの薬剤師の臨床判断』(じほう)などがある。
イラスト/佐藤加奈⼦