「記録を整備する日」を設けよう
多くのサービス提供責任者にとって、業務記録は負担でしょう。訪問介護計画書やサービス提供記録は日々おこなっていたとしても、支援経過記録やモニタリングの記録、事例検討の記録や研修記録などは後回しにしがちではないですか? それが盲点です。
まずは、業務管理や記録のシステム化、作業スケージュールの見える化などを工夫し、作成漏れがないよう、仕組みから見直してみましょう。
定期的に「事業所内実地指導」を実施しよう
現在の制度では、実地指導は指定更新期間である6年の間に1回というところもあるでしょう。すると次は6年後になり、せっかく整えた書類等が次第に乱れたり、管理者やサービス提供責任者の異動などによって、以前の情報が共有されなかったりして、「実地指導ごとに残業して書類づくり」になりかねません。
そう考えると、むしろ実地指導はもっと短い間隔の方が、常に書類等が適切な状態で保持され、その都度慌てることがなくなるかもしれません。
とはいえ、自分たちで頻度を決められるわけではないので、半年に1回など、定期的に内部で実地指導を設定し、実施しましょう。最初は面倒かもしれませんが、万全な状態を維持すれば、結果的に業務がスムーズになります。
ICT化で効率を上げよう
今後はICT化が広まり、業務効率を上げられる可能性も増えてくると思います。予算の制限もあると思いますが、国や都道府県などではICT化に向けた環境整備に対する補助事業なども開始されています。「忙しいから記録ができない」は、言い訳に過ぎない時代がすぐ近くまできています。使える制度を活用して、ICT導入を積極的に検討しましょう。
本誌では、具体的な実地指導の通知書の内容やおもな事前提出書類や、当⽇に準備すべき書類や資料リストなども紹介しています。
監修・執筆/能本守康
介護福祉⼠、主任介護⽀援専⾨員、相談⽀援専⾨員、⽇本ケアマネジメント学会認定ケアマネジャー、⽇本介護⽀援専⾨員協会常任理事、(株)ケアファクトリー代表取締役などを務める。著書に『Q&A 訪問介護サービスのグレーゾーン 第3次改訂版』(ぎょうせい)などがある。
イラスト/細川夏⼦