認知症の人がどんな思いを抱えているか、複雑な心の内が理解できたでしょうか?相手をより深く理解するために、心に留めておいて欲しいポイントがあります。ぜひ覚えてください。
自分の言動が利用者にどう受け止められ、どう伝わるのか、想像力を働かせる
4つのワークショップを体験して、ホームヘルパーとして普段当たり前におこなっていることが、認知症の利用者にとっては大きなストレスになる場合があるとわかったと思います。自分では「親切」や「気配り」のつもりでした行為が、上のイラストのように、逆に不安、不信感、恐怖感などを強め、利用者のガードをかたくすることもあります。自分が発する言葉と行動の1つひとつに責任を持ち、常に想像力を働かせて、接するようにしましょう。
何気ないサポートが利用者の自尊心を傷つけることも
「ホームヘルパーに〇〇してもらう」=「自分ではできないと思われている」と感じ、自尊心が傷つく利用者もいます。「できないことは要求しない。できることは奪わない」のが認知症ケアの基本。「自分がこれをしたら、どう思うだろう?」と常に相手の気持ちを想像しながら、利用者に向き合いましょう。
本誌では気持ちに寄り添ったケアをするためのポイントを解説しています。
監修/倉井千恵
セコム医療システム株式会社 ケアサービス部課長。看護師、ケアマネージャー。1998年に入社。訪問看護、訪問介護、ケアマネジャーの実務を経て、現職。在宅介護を展開する部署で、おもに組織作り、人材の育成を担当。文/植田晴美 イラスト/尾代ゆう子