多職種連携が大切だと理解はしているけれど、どう連携したらいいかわからない。そう悩むサービス提供責任者の声をよく耳にします。「連携する」=「つながること」と考えて、営業活動や名刺交換をすることばかりに意識が向いていませんか?
もちろん、日頃から顔と名前を知ってもらうよう心がけることは大切です。しかし、それはあくまで手段。多職種連携の本来の目的は、利用者によりよいサービスを提供することです。どうすれば目の前にいる、この利用者の生活をより質の高いものにできるのか。それを考えながら動いていると、同じ思いを持つ仲間との連携は自然と生まれてくるもの。連携とはつまり、「信頼し合える関係を築くこと」だからです。
信頼を得るために必要なのは、責任をしっかりと果たすこと。そして、相手の立場に立って動くことです。この人、この事業所とはいい関係でつながっていたい。そう思ってもらえる仕事をすることが、連携していくうえでの一番の近道です。
面倒なことも快く引き受ける。相手が困っている時には助ける。短絡的な見返りを求めない、そうした対応の積み重ねが信頼関係を築きます。そして、自分が困った時には、反対に助けてもらえる「連携」ができるのです。
本誌では多職種連携で大切にすべきことをポイントを挙げて解説しています。
監修/日髙 淳
神奈川県横浜市で訪問介護と居宅介護支援を提供する「ステップ介護」を運営。管理者を務めつつケアマネジャーとして多くの利用者を担当。訪問介護の現場での声を、現状把握、介護連携、講師等に活用している。横浜市訪問介護連絡協議会相談役。文/宮下公美子 イラスト/藤井 恵