名前や性別、住所などはもちろんのこと、病状や介護度、家庭の状況といったきわめて重要な個人情報を取り扱う訪問介護事業所。2017年の改正により、取り扱う個人情報の数にかかわらず、ほとんどすべての事業者が同法律の適用対象となりました。どのような情報が個人情報に当たるのか、どう取り扱うべきかを、利用者と直接関わるホームヘルパーもしっかり認識しておく必要があります。
個人情報保護のキホン
- 職務を通して知った情報はすべて個人情報だと捉え、口外しない。
- 個人情報の記載された書類はできるだけ持ち歩かない。
- PCや携帯電話にはロックをかけ、紛失に十分注意する。
- SNSなどへ利用者が特定できるような情報発信をしない。
うっかり違反の例
- 仕事が終わったあと、電車の中で利用者のケアプランを読みながら帰った。
- 職場のスタッフ同士で飲みに行き、利用者の実名を出しながら悩み相談をした。
- 事業所支給の携帯電話にロックをかけないまま、訪問先でテーブルの上に置きっぱなしにした。
- 利用者Aさん宛てにFAXを送ろうとしたが、Bさんに誤送信してしまった。
- 自撮りした写真の背景に利用者宅が写っていたが、コメントをつけてSNSへアップした。
本誌では意識しておきたい他の法令についても解説しています。
監修/柏瀬美奈子
ヒューマンライフケア株式会社・人事部 育成担当 ジュニアマネジャー。介護福祉士。施設介護、通所介護、訪問介護などの職を経て、人材育成、資格講座の講師を担当。2013年より現職に就き、研修企画、業務開発などに従事。これから「介護」を目指す人の熱い想いを支え、その教育・研修を提供することで、地域・社会への貢献を果たしている。取材・文/ナレッジリング(中澤仁美) イラスト/しまだ・ひろみ