自宅の場合、車いすを扱うのに十分とはいえない広さの中で利用していることに加え、移乗時の動作が、利用者だけでなくホームヘルパーにも負担が大きいといった点が、車いす事故が多い原因といえます。
また利用者の人身事故だけでなく、財物事故やホームヘルパー自身のケガなど、さまざまな事故が発生する点も大きな特徴です。
廊下を曲がる際、利用者のひざが壁にぶつかり、あざができてしまった!
利用者宅によっては、廊下の幅が狭く、車いすが通るのにギリギリという場合が。移動先への動線上に荷物などが置かれていることもあり、そうした環境も事故の原因になる。
本誌では、訪問介護に多い「車いす事故」を起こさないための取り組みを3つのポイントに絞って紹介しています。
監修/公益財団法人 介護労働安定センター
介護労働者の雇用管理の改善、能力の開発・向上、その他の福祉の向上を図るための総合的支援機関として1992(平成4)年に設立。介護労働者法の指定法人として現在に至る。2000(平成12)年度からは、介護保険制度の施行に伴い、介護事業者を含む介護分野全般に対する支援事業を実施している。
イラスト/さいとうかこみ