介護職員の対応によって、ハラスメント行為を引き出してしまうこともあります。それを防ぐために、訪問介護では次のような点に配慮してサービスに入りましょう。
隙のない服装・身だしなみに
接遇でも重要視されている“身だしなみ”。清潔感や機能性のある服装を保つことが基本です。ハラスメント対策としては、下に挙げた点などに注意しましょう。
- ボタンをはずしたり、腕をまくったりせず、肌の露出を控える
- 前かがみになるとバストが見えそうな服は避ける
- 上着がめくれたり、かがんだりしたときに肌が見えないよう、タンクトップなどの肌着を着用する
- 透ける素材やレース素材などの服は着用しない
- 下着のラインが目立たないよう、注意をはらう
- 香水や濃いめのメイクは避ける
必要以上に体を密着しない・させない
身体介助はもちろん、サービスに入れば、利用者にまったく触れないわけにはいかないでしょう。ですが、過度な接触や接近は、「自分に好意があるのかも?」などと勘違いさせてしまうことがあります。もし利用者から触れてきたり、近寄ってきたりしても、相手に不快感を抱かせないよう配慮しつつ、「さっと手を引く」「距離を保つ」など、適切に対応しましょう。利用者だけでなく、家族に対しても同様に接します。
本誌では、このほかに4つのハラスメント対策について紹介しています。
監修・執筆/神谷洋美
全国ホームヘルパー協議会 会長。社会福祉法人 豊田市社会福祉協議会 旭支所 支所長。平成30年度厚生労働省老人保健健康増進等事業「介護現場におけるハラスメントに関する調査研究」委員会のメンバーとして、「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」の作成に携わる。取材・文/宮下公美子、山田智裕 イラスト/尾代ゆうこ