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【事例】「鼻毛を切って」と頼まれた際の対応

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  • グレーゾーン(あいまい)
  • ⾝体整容
【事例】「鼻毛を切って」と頼まれた際の対応

Q 介助中、利用者の鼻毛が伸びていることに気付きました。それを伝えると「鼻毛を切って」と頼まれたのですが対応できるのでしょうか?

現在の状況

半年ほど前から身体整容を担当しています。ある日、電気シェーバーでひげを剃っていると、利用者の鼻から鼻毛が飛び出ていました。「伸びていますよ」と伝えたところ、「はさみで切ってほしい」と言われました。

これまでは何とか自分で処理していたのですが、病気が進行して切れなくなったそうです。同居の奥様も持病があり、自分のことで精いっぱいの様子です。老計第10号を見ても鼻毛の処理について触れられておらず、判断に困っています。

A 状況によっては、専用のはさみであれば切っても構いませんが、継続的な支援は難しいでしょう。

いくつか条件は求められますが、鼻から少し出ている鼻毛を、先が丸くなった鼻毛専用のはさみで切ることは可能と判断できます。

こう考えよう

厳密には、はさみを使って髪などを切ることは、理・美容師法によって制限されています。しかし、例えば「今からデイサービスに行くのに、鼻から少し飛び出している鼻毛が気になって出かけられない」という場合、鼻毛専用のはさみを使い、その部分だけをホームヘルパーが切ったとしても、法に触れるという解釈にはならないでしょう。

しかし、鼻の中まではさみを入れ、念入りに切るといった行為は不適切といえます。この利用者の場合、訪問看護も利用しているので、定期的に鼻毛の処理が必要であれば、そちらで対応してもらうほうがよいでしょう。

本誌では、身だしなみを整える介助で迷いがちな事例と対応方法について詳しく解説しています。

 

監修・執筆/能本守康
介護福祉士、主任介護支援専門員、相談支援専門員、日本ケアマネジメント学会認定ケアマネジャー、日本介護支援専門員協会常任理事、(株)ケアファクトリー代表取締役などを務める。著書に『Q&A 訪問介護サービスのグレーゾーン第3次改訂版』(ぎょうせい)などがある。

イラスト/藤原ヒロコ

この記事は『へるぱる 2019年11・12月号』に掲載されています

巻頭特集は「利用者・家族からのハラスメントにどう向き合う」。今日からできる対策を取り上げます。事業所としての対処の仕方等、実例を交えながら解説しています。

「認知症ケア」特集では、利用者の不安を安心に変えていくための接し方をワークショップを通して想像します。書類の実例集、すぐに使えるレシピ、あいまいゾーンの解説など人気連載も充実の一冊です。

へるぱる2019年11・12月号

特集内容

巻頭特集

利用者・家族からの

ハラスメントにどう向き合う?

研修特集1

不安を安心に変える

認知症ケア

研修特集2

ホームヘルパーに求められる

倫理・法令遵守とは?

  • 症状別介護の基本[第5回]
    ─転倒・骨折を起こしやすい症状─
  • 「自立支援」と「重度化防止」の観点で読み解く
    老計第10号[第5回]
  • 事例から考える
    あいまいゾーン[第4回]
  • これからのホームヘルパーに求められる
    服薬の知識[第5回]
  • 介護保険制度をはじめ気になる話題をお届け!
    知っとこ! 介護ニュース
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