脳卒中の基礎知識
- 脳卒中は、脳の血管が破れたり、詰まったりすることで起こる疾患です。
- 脳に起こる現象や場所によって、脳出血やくも膜下出血、脳梗塞などに分けられます。
- 高血圧や糖尿病など生活習慣病のある人の発症頻度が高いといわれています。また、過去に脳卒中を経験した人の再発率が高い疾患でもあります。
- [1]頭痛やめまい、[2]意識の異常、[3]手足の力や感覚の異常、[4]言語の異常、[5]視力・視野の異常などがおもな症状です。
- 発症時に突然倒れるのはごく一部で、むしろ判断ができないほどの状態が続き、どんどん悪化して、手遅れになることがあります。
- 脳卒中の最も効果的な治療は、脳卒中が起こってから限られた時間内(4~5時間以内)に行う必要があります。そのため、迅速に病院で診断し、治療を開始できるかどうかが重要となります。
脳卒中の場合、2時間以内に病院で受診が重要!!
脳卒中への対応は、時間との勝負であることがわかります。ホームヘルパーなどの身近な人が、利用者の異変に、いち早く気づき、適切な対応をしなければいけません。その気づきの際に、指針となるのが、「FAST」の考え方です。
本誌では、基本の緊急時のチェックポイントや、脳卒中対応の基本、脳卒中かもしれない!と思った場合の対応の流れも紹介しています。
監修/髙瀬義昌
医療法⼈社団 ⾄髙会 たかせクリニック 理事⻑。⽇本⽼年精神医学会専⾨医。認知症サポート医。信州⼤学医学部卒業。東京医科⼤学⼤学院修了、医学博⼠。昭和⼤学客員教授。⿇酔科、⼩児科を経て、2004年東京都⼤⽥区に在宅を中⼼とした「たかせクリニック」を開業。現在、在宅医療における⾼齢者医療、認知症のスペシャリストとして厚⽣労働省の⾼齢者医薬品適正使⽤事業や東京都⼤⽥区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務める。イラスト/しまだ・ひろみ