利用者への確認
- 利用者の様子がいつもと違うことに気づいたときには、本誌21ページで紹介した「FAST」の考え方にのっとり、利用者の状態を確認しましょう。
関係者への連絡
- 利用者の状態を確認し、救急車の必要性を感じたら、まずはサービス提供責任者に報告しましょう。
- その後、サービス提供責任者が、ケアマネジャーへと連絡し、救急車の要請について検討します。ただし前述の通り、脳卒中の場合は、特に時間との勝負となります。関係者間のやり取りについては、迅速に対応することが求められます。
救急車を呼ぶ
- 以下の流れをしっかり踏まえて、落ち着いて対応するようにしましょう。
救急車の到着
救急車の到着までの間に準備しておくもの
救急車を待っている間、わかる範囲で以下のようなものを準備しておきましょう。特に保険証やお薬手帳などは、すぐに出せるように、日頃から所定の位置を決めて、まとめて保管するよう、利用者や家族と話しておくようにしましょう。
- 診察券
- 医療保険証と介護保険証(利用者負担割合がわかる書類も一緒に保管しておく)
- お薬手帳
- 靴
救急車到着後に伝えること
- 利用者の体調が悪くなった状況
- 救急車が到着するまでの間の変化
- った応急手当の内容
- 利用者の情報(持病やかかりつけ医、服用中の薬など)
病院への搬送
- ホームヘルパーが病院まで同乗するかどうかは、状況によって異なります。こうした場合に備えて、事前に利用者家族と相談し同意を得ておくとともに事業所内でどのように対応するか話し合っておきましょう。
- 搬送される病院は、原則、救急隊員が利用者の状況から最適な搬送先を判断して、決定します。その後、利用者が搬送された病院から各関係者(利用者の家族、かかりつけ医など)に連絡がいくことが一般的です。
本誌では、1つでも当てはまったら救急⾞を呼ぶFAST脳卒中対応の基本や、事前にまとめておきたい利⽤者情報カードなども紹介しています。
監修/髙瀬義昌
医療法⼈社団 ⾄髙会 たかせクリニック 理事⻑。⽇本⽼年精神医学会専⾨医。認知症サポート医。信州⼤学医学部卒業。東京医科⼤学⼤学院修了、医学博⼠。昭和⼤学客員教授。⿇酔科、⼩児科を経て、2004年東京都⼤⽥区に在宅を中⼼とした「たかせクリニック」を開業。現在、在宅医療における⾼齢者医療、認知症のスペシャリストとして厚⽣労働省の⾼齢者医薬品適正使⽤事業や東京都⼤⽥区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務める。イラスト/しまだ・ひろみ