職業倫理は、それぞれのホームヘルパーが個人だけで考えるものではありません。スタッフ同士で話し合う機会を持ち、事業所全体の共通認識としていくことが大切です。
事業所としての倫理観を作る
個人の倫理観だけに頼るのはNG
基本的に1人でサービス提供に当たる訪問介護では、判断に迷う場面があっても、その場で誰かに相談するのは困難です。また、倫理観に「絶対的な正解」が存在するわけではありませんから、個人の考え方や経験などによって判断が大きく左右されることもあります。
職業倫理を全員の「共通認識」へ
あらかじめ様々な場面について検討したり、実際に迷ったケースについて話し合ったりしておきましょう。気軽に相談できる場や担当者を設けるほか、定期的なミーティングの議題として取り上げるのがお勧めです。ホームヘルパーとしての職業倫理が事業所の共通認識となるよう、スタッフ全員で関わっていくようにしましょう。
本誌では職業倫理チェックリストを使い、利用者を尊重するための研修について詳しく解説しています。
監修/柏瀬美奈子
ヒューマンライフケア株式会社・人事部 育成担当 ジュニアマネジャー。介護福祉士。施設介護、通所介護、訪問介護などの職を経て、人材育成、資格講座の講師を担当。2013年より現職に就き、研修企画、業務開発などに従事。これから「介護」を目指す人の熱い想いを支え、その教育・研修を提供することで、地域・社会への貢献を果たしている。取材・文/ナレッジリング(中澤仁美) イラスト/しまだ・ひろみ