【よくある悩み7】質問しても 『特に問題ありません』という回答しか得られません
A.モニタリングシートにある質問事項をそのまま読み上げているだけでは、相手の意見を深く聞き出すことは難しいもの。「不満はありませんか?」といった、「はい」「いいえ」だけで回答が終わりがちな質問の仕方は控えましょう。「以前と比べて、痛みにはどんな変化がありますか?」「サービスについて、もっとこうしてほしいと感じることがあったらぜひ教えてください」といったように質問の仕方を工夫することで、相手の本音を引き出しやすくなります。訪問前に、「どんなことでも遠慮なく話してください」など声かけしておくことも有効です。
【よくある悩み8】利用者や家族となかなかアポイントが取れません
A.長時間の話し合いは相手の負担になりますから、できるだけ利用者の体調がよいときに30分~1時間程度で実施するのが基本です。なかなか時間を取ってもらえないのは、モニタリングのもたらす効果が利用者や家族に伝わっていない可能性があります。「より的確なケアを受けられる」「自身の課題を整理できる」「心身の機能が改善した喜びを感じられる」といった、利用者や家族にとってのメリットを説明してみましょう。モニタリングの意義を理解することで、時間を割くことへ前向きになってもらえるかもしれません。
本誌ではモニタリングシートのほか、「訪問介護計画書」「手順書」等各書類の書き方のポイントをわかりやすく解説しています。
柴田範子(しばた・のりこ)
NPO法人「楽」理事長として、小規模多機能型居宅介護「ひつじ雲」、サテライト「くじら雲」を運営する。神奈川県ボランタリー活動推進基金審査会委員。元・東洋大学ライフデザイン学部准教授。『イラストでわかる介護職のためのきちんとした言葉のかけ方・話の聞き方』など、著書も多数。イラスト/仲野ひかる