【よくある悩み3】どの利用者の目標も同じような内容になってしまいます
A.表現をわかりやすく簡潔にすることは大切ですが、同じような言葉を多用すると、掲げる目標にも個別性が見出せなくなってしまいます。特に「安全に〇〇する」「安心して〇〇できる」といった言葉は多用されがちですが、あいまいな内容になりかねません。大切なのは、その人にとって「もっとも不安に感じていること」や「一番叶えたい願い」に着目すること。個別性のある目標は、ホームヘルパーが提供するケアの質によい影響を与えるだけでなく、利用者や家族にとっても重要な生活上の指針となっていきます。
【よくある悩み4】ケアプランの内容をコピーするだけで終わってしまいます
A.ケアプランは利用者の介護サービス全般について書かれたものですが、それだけでは訪問介護において何を実施するのかが不明瞭です。その人が自宅で生活を続けるためにどんな支援が必要なのか、より具体的で詳細な内容が求められるのです。特にホームヘルパーとの情報共有は、訪問介護計画書がベースになることが多いはず。どのホームヘルパーが訪問しても同じ目標に向かってサービス提供ができるためには、どんな情報が必要か考えてみましょう。
本誌では訪問介護計画書のほか、「モニタリングシート」「手順書」等各書類の書き方のポイントをわかりやすく解説しています。
柴田範子(しばた・のりこ)
NPO法人「楽」理事長として、小規模多機能型居宅介護「ひつじ雲」、サテライト「くじら雲」を運営する。神奈川県ボランタリー活動推進基金審査会委員。元・東洋大学ライフデザイン学部准教授。『イラストでわかる介護職のためのきちんとした言葉のかけ方・話の聞き方』など、著書も多数。イラスト/仲野ひかる