20170123

ホームヘルパー奮闘日記

ねぎらいながらの介助で夫婦が笑顔に!前編

要介護5のIさんは、認知症を患う74歳の女性。ひとりで面倒をみていた夫が疲れ果て、週6日の訪問介護をすることに。ところがIさんは夫もホームヘルパーも怖がって……。

この現場の主人公
広田嘉子さん(仮名)50歳 訪問介護歴3年
8年のデイサービス勤務後、訪問介護にうつり、現在はサービス提供責任者。地域の合唱サークルに参加し、老人ホームなどで歌うボランティアも。

任せの介助に自己嫌悪。他に方法はなかったのか…
5月×日(訪問前打ち合わせ)
5年にわたってご主人がひとりで介護していたらしい認知症のIさん。担当医から「このままでは夫婦関係が危ない」と地域包括支援センターに連絡があったそう。まずはケアマネと伺い、訪問介護を了承してくれないご主人を説得することに。

5月×日(夫と打ち合わせ)
ケアマネと訪問。家の中から「殺される〜」と女性の悲鳴、「うるさい!」と男性の怒鳴り声。慌ててチャイムを押すと、疲れ切った様子のご主人が出てきた。説得するも「妻には苦労をかけたから、僕が最後まで面倒みます」と繰り返すのみ。「ひとりで介護するのは大変です。一度、お手伝いさせてください。それでダメならお断りいただいてもいいですから」と伝えたら、「そこまでおっしゃるなら」と言ってくださった。訪問は朝夕週6日に決まり、私と2人のヘルパーで担当することにした。

5月×日(訪問初回)
初回はヘルパーと2人で訪問。Iさんは見知らぬ人の訪問に驚いた様子で、ベッドの上で手をバタバタさせながら「帰って」と声を荒らげる。ご主人が手を押さえ、2人がかりでおむつを替え、デイサービスに送りだしたものの……。「こんな方法しかなかったのか」と自己嫌悪。

5月×日(訪問3回目)
今日もIさんは「触らないで」と手をバタバタさせ、ご主人が「うるさい」と怒鳴りながら手を押さえている。このままではダメだ。何とかしなければ。

5月×日(訪問5回目)
Iさんが顔を覚えてくれたらしい。「また来たのね」と穏やかな笑顔で迎えてくれた。だが……。ご主人が「女性にやらせるわけには」とIさんの体をグイッと持ち上げてベッドから車いすに移乗。Iさんは「殺されるぅ」と叫びながらご主人の手をぶつ。2人の様子を見て気づいた。ご主人は介護法がわからなくて力任せになり、そのせいでIさんは怯えてしまったんだ。

イラスト/タナカユリ

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  • 2017年01月23日

この記事はこの号に掲載されています

ねぎらいながらの介助で夫婦が笑顔に!前編

へるぱる 2016 冬号56-57ページに掲載

おもな特集

  • 片麻痺・リウマチ・椎体圧迫骨折・パーキンソン病 症状別の配慮ポイントで介助術を見直そう!
  • 訪問介護サービスの 必須書類 そろっていますか?
  • 訪問介護のいろはがわかる!イラストで解説! やさしい「老計第10号」[4]

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