2020年の6~9月に熱中症で救急搬送された人の数は、全国で6万4,869人で、前年よりも2,000人ほど減っています。しかし、年齢区分別にみると高齢者は前年よりも約6%増。人数では、全体の約58%を占めています。主な熱中症の発生場所は屋内であり、マスクの着用、コロナ禍による外出自粛、高齢者特有の理由などで、この傾向は今年も続くことが危惧されています。
上図は、マスクをしている際に熱中症のリスクが高まる理由をイラストにしたものです。マスクは顔の発汗による気化熱や熱放散を妨げます。また、マスクのフィルターを通しての呼吸は息苦しく、吐いた息の二酸化炭素を再び自分で吸い込むので頑張って息をする必要があるため心拍素や呼吸数、体感温度、血中二酸化炭素濃度が上昇など、体に負担がかかる状態を続けていることになります。
本誌では、このような厳しい状況でも事前に心掛けることで熱中症のリスクを減らす具体的な方法を考えていきます。感覚ではなく客観的な数値で危険性を判断するための温湿度計の使い方、水分補給の仕方など、利用者を支援する際に心掛けるためのチェックリストも掲載しています。どうぞ、本格的な暑さの前に皆さんで確認をしてみてください。
監修/三宅康史
帝京大学医学部救急医学講座教授。帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長。日本救急医学会評議員・専門医・指導医、熱中症に関する委員会元委員長。編著に『現場で使う!! 熱中症ポケットマニュアル』(中外医学社)、『医療者のための熱中症対策Q&A』(日本医事新報社)などがある。
イラスト/尾代ゆうこ
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この記事は『へるぱる 2021年7・8月号』に掲載されています
巻頭特集は「コロナ禍での事業所内研修どうしてる?」です。“同じ場所に集まって研修を受ける”ことが難しくなった中で、訪問介護事業所の研修でも、自宅から参加できるオンライン研修などを活用するケースが増えたと思います。既に実践している事業所の様々な工夫や、おこなったことで見えてきた課題などを、6つの事業所に詳しく教えていただきました。
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発売日 2021年6月1日 定価 2,000円(本体1,819円+税10%)

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