認知症をもつ人のケアを担当して、難しいと感じる介護職は多いかもしれません。なぜ難しいと感じるのでしょうか。
認知症ケアには、「こうすれば必ずうまくいく」という絶対的な方法はありません。昨日うまくいったことが今日はうまくいかなくて、疲れてしまうこともあるかもしれません。しかし、ホームヘルパーが気持ちを安定させて、認知症の人の状態を客観的に判断できれば、認知症の人もリラックスでき、よいケアにつながりやすくなります。お互いのために、ストレスの少ない関わり方を探っていきましょう。
本誌では、利用者はもちろん、介護職も心穏やかに接するためのヒントを、具体例とともにご紹介していきます。
監修/市村幸美
ブルーベル代表。看護師・介護支援専門員。精神科病院の認知症病棟への配属をきっかけに認知症ケアに興味をもち、認知症ケア専門士、認知症看護認定看護師、介護支援専門員を取得(認知症看護認定看護師は未更新のため現在は資格なし)。現在は現場での経験を活かし、「認知症をもつ人が受ける不利益をなくす」ことを理念に、セミナー講師や執筆などの活動を行う。著書に『心が通い合う認知症ケア』(日総研出版)、『つまずかない「認知症ケア」の基本』(ソシム)がある。イラスト/さいとうかこみ