認知症ケアの後半では、
できることを支える 場面別介助テクニック
を紹介しています。食事、排泄、更衣、入浴の4つの場面を取り上げ、少しでも自分でおこなえるように支援するをキーワードに具体的な対応法を掲載しています。
その中のひとつに、「食事の際、あえて視界から外れ、声かけを控える」という介助テクニックがあります。認知症の人の中には、声かけや近くに人がいると注意が向いてしまい、食事が進まないケースがあるためです。その場合は、ホームヘルパーの座る位置を少し下げ、利用者の視界に入らないようにして、触れたり声をかけたりしないでスプーンを運ぶようにします。
本誌では他にも役立つ介助テクニックを多数紹介しています。認知症ケアを考える際、参考にしてもらえたら幸いです。ぜひご覧ください。
監修/安藤祐介
作業療法士。介護老人保健施設ケアセンターゆうゆう認知症フロアに勤務し、認知症利用者の生活リハビリテーションに約10年間従事。YouTubeの「安藤祐介チャンネル」や個人のホームページ、メールマガジンで介護技術や認知症ケアについて発信するとともに、全国でセミナー講師を務める。著書に『利用者に心地よい介護技術「新感覚介助」というアプローチ』(中央法規出版)がある。
イラスト/ひらのんさ