食中毒のリスクは1年を通してありますが、気温や湿度が高くなる季節は特に注意が必要です。予防のポイントを改めて確認し、利用者の生活に合わせて対策していきましょう。
食中毒予防の3原則は、つけない・増やさない・やっつける。
本誌でも、この原則に沿って丁寧に解説をしていきます。気をつけたい場面の多くは、冷蔵庫や調理台に集中していますが、訪問介護ならではの気づきポイントもあります。その時の声かけの説明が上のイラスト。これは、何に関しての問いかけだと思いますか?
答えは「入れ歯」。
入れ歯に細菌などが付着していると、食事中にそれを飲み込んでしまうことになります。入れ歯の清潔保持は、誤嚥性肺炎の予防にもなります。しかし、口腔ケアがケアプランに組み込まれていない場合には、声に出して触れづらいかもしれません。もし利用者に一声おかけするとしたら、どんな風に話せばよいのか、の提案が上にあげたイラストの中のセリフです。本誌では、他にも訪問介護サービスならではの視点で具体的な場面を想定して提案しています。ぜひ、日々のサービスの参考に活用していただけますように。
監修/稲山未来
Kery栄養パーク代表。ふれあい歯科ごとう勤務。管理栄養士、認定在宅訪問管理栄養士、介護支援専門員、認知症ケア専門士、健康咀嚼指導士。特別養護老人ホームにて高齢者の栄養管理に関わったのち、訪問歯科診療所にて管理栄養士による訪問栄養食事指導業務の立ち上げを行う。現在は訪問栄養食事指導業務を続けながら、地域住民向けの栄養講座や地域見守りボランティアへの栄養教育活動を行う。
イラスト/尾代ゆうこ