“共依存”って、どんなこと?
虐待防止のための取り組みは、年々必要性が高まっており、皆さんの事業所でも定期的に研修をおこなっていることでしょう。『へるぱる2023 11・12月』では、「共依存」という視点から高齢者虐待を取り上げました。
「共依存」とは、アルコールやギャンブル、薬物などの依存症に関連する言葉です。その中でも、「互いに依存し合う(コントロールし合う)結果、両者の自立が妨げられている状態」を共依存とみなし、「関係性の病」ともいわれています。
例えば、上のイラストのケースでは、夫も妻もお互いに依存し合っており、その結果、自立が妨げられているといえます。
高齢者虐待の中には、こうした「共依存」のケースも多くみられるのが実情です。そのため、高齢者虐待を考える上で、「共依存」という視点を持つことは、重要になってきます。本誌では事例を取り上げ、介護職として心がけたい視点も紹介しています。ぜひ研修にご活用ください。
監修/松下年子
一般社団法人日本高齢者虐待防止学会副理事長。聖路加看護大学卒業後、臨床看護師及び産業保健師として経験を積み、その後、東京医科歯科大学大学院修士・博士課程を修了。その後、国際医療福祉大学大学院、埼玉医科大学保健医療学部及び同大学看護学研究科、横浜市立大学にて看護教育に携わる。
イラスト/関口紀子
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