気をつけていても介護事故が起きてしまった場合、事業所と利用者・家族との話し合いで解決できるケースが多いと思います。しかし、なかには裁判に発展するケースもあります。今回は、裁判で事業所の過失が認められた事例を見ていきながら、介護事故の再発防止について考えていきましょう。
上のイラストは、実際に平成25年に裁判になった事例です。この利用者さん(事故当時82歳、要介護5、女性)は、土間に転落して大腿骨頸部内側を骨折。事業所に過失があると認定され、賠償額は約1,726万円に上りました。具体的に問題になったのは、大きく下記2点。
- 事故を予想できたか
- 職員が注意すれば回避できたと言えるか
『へるぱる 2024 11・12月』では、この経緯を順を追って解説し、事故から学べるポイントを通して、再発防止に向けてできることを考えます。
監修/外岡 潤
介護・福祉系のトラブル解決に特化した法律事務所「おかげさま」代表。公益財団法人介護労働安定センター雇用管理コンサルタント。紛争を話し合いで解決する技術「メディエーション」を研究し、介護トラブルの裁判外紛争解決手続(ADR)活動を推進。著書に『利用者・家族・スタッフ別にポイント解説! 裁判例から学ぶ介護事故対応』(第一法規)などがある。
イラスト/藤原ヒロコ